地方財政の現状と課題とは?

地方財政の収支(歳出・歳入)状況

○ 平成初めまでは、国と同じように両者が概ね揃って増加
○ 平成前半においては、経済対策に伴う公共事業の拡大等により、地方の歳出は歳入の伸びを超えて拡大。平成10年度以降、地方歳出は抑制されてきており、リーマン・ショックの影響で増加したものの、その後はほぼ横ばいで推移
○ 地方交付税制度による財源保障の下、地方交付税を含む地方の歳入は基本的に歳出に沿う形で推移してきており、国のように歳出・歳入ギャップが拡大し続けるような状況は生じていない
○ 地方の基礎的財政収支(PB)は一貫して黒字となっており、財政収支も近年は黒字を継続
○ 2025年度のPB黒字化目標は国・地方合わせた目標。仮に中長期試算の成長実現ケースのとおりに国・地方合わせたPBが黒字化したとしても、国はPB赤字が続く見通し
○ 債務残高を見ると、平成前半は国・地方が同じペースで増加したが、平成後半は国の残高が増加する一方で地方は減少

地方財政計画の経費別推移と地方向け補助金等の推移

○ 例えば一人当たりの医療費をみると、都道府県の間で大きな差が存在しているなど、社会保障費(一般行政経費・補助事業等)についても、地方が主体的に抑制に取り組んでいくことが重要
○ 国民健康保険や公立病院に対しては、地方公共団体から毎年度、地方財政計画における計上額を超える多額の支出が行われている。地域の医療提供体制の持続可能性を確保するためにも、こうした状況の是正が急務

出所:財政制度分科会