社会福祉施設等における新型コロナウイルス感染拡大防止のための留意点について(その2)

社会福祉施設等(入所施設・居住系サービス)における感染防止に向けた対応について

1.感染防止に向けた取組
(1)施設等における取組
(感染症対策の再徹底)
○ 感染の疑いについてより早期に把握できるよう、日頃から利用者の健康の状態や変化の有無等に留意すること。
○ 介護保険施設においては、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会の開催等により、感染拡大防止に向けた取組方針の再検討や各施設における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針に基づく取組の再徹底を行うこと。
○ 感染防止に向け、職員間での情報共有を密にし、感染防止に向けた取組を職員が連携し取組を進めること。
○ 感染者が発生した場合に積極的疫学調査への円滑な協力が可能となるよう、症状出現後の接触者リスト、利用者のケア記録(体温、症状等がわかるもの)、直近 2 週間の勤務表、施設内に出入りした者等の記録を準備しておくこと。
○ 入国拒否の対象地域から帰国後症状がある職員等がいる場合、施設長は、すみやかに市区町村に対して、人数、症状、対応状況等を報告するとともに、 発熱等の症状により感染が疑われる職員等がいる場合は、保健所に報告して指示
を求めること。また、最新情報を収集し、職員等に情報提供すること。

(面会及び施設への立ち入り)
○ 面会については 、感染経路の遮断という観点から、緊急やむを得ない場合を除き、制限すること。テレビ電話等の活用を行うこと等の工夫をすることも検討すること。面会者に対して、体温を計測してもらい、発熱が認められる場合
には面会を断ること。
○ 委託業者等についても、物品の受け渡し等は玄関など施設の限られた場所で行うことが望ましく、施設内に立ち入る場合については、体温を計測してもらい、発熱が認められる場合には入館を断ること。
○ 面会者や業者等の施設内に出入りした者の氏名・来訪日時・連絡先については、感染者が発生した場合に積極的疫学調査への協力が可能となるよう記録しておくこと。

(2)職員の取組
(感染症対策の再徹底)
○ 職員、利用者のみならず、面会者や委託業者等、職員などと接触する可能性があると考えられる者含めて、マスクの着用を含む咳エチケットや手洗い、アルコール消毒等により、感染経路を断つことが重要であり、「高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版」等を参照の上、対策を徹底すること。
○ 職員は、各自出勤前に体温を計測し、発熱等の症状が認められる場合には出勤を行わないことを徹底すること。なお、過去に発熱が認められた場合にあっては、解熱後 24 時間以上が経過し、咳などの呼吸器症状が改善傾向となるまで
は同様の取扱いとする。なお、このような状況が解消した場合であっても、引き続き当該職員の健康状態に留意すること。該当する職員については、管理者に報告し、確実な把握を行うよう努めること。ここでいう職員とは、利用者に直接介護サービスや障害福祉サービス等を提供する職員だけでなく、事務職や送迎を行う職員、調理員等、当該事業所のす
べての職員やボランティア等含むものとする。
○ 発熱や呼吸器症状により感染が疑われる職員等については、「新型コロナウイルス 感染症についての相談・受診の目安」を踏まえた対応について」(令和2年2月 17 日)を踏まえて適切に対応すること。
○ 職場はもとより、職場外でも感染拡大を防ぐための取組を進めることが重要であり、換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避ける等の対応を徹底すること。
○ 職員が感染源となることのないよう、症状がない場合であっても利用者と接する際にはマスクを着用すること。食堂や詰め所でマスクをはずして飲食をする場合、他の職員と一定の距離を保つこと。
(3)リハビリテーション等の実施の際の留意点
○ 社会福祉施設等においては、利用者の廃用症候群防止や ADL 維持等の観点から、一定のリハビリテーション又は機能訓練や活動を行うことは重要である一方、感染拡大防止の観点から、「3つの密」(「換気が悪い密閉空間」、「多数が集まる密集場所」及び「間近で会話や発声をする密接場面」)を避ける必要があることから、リハビリテーション等共有スペースで実施する場合は、以下に留意するものとする。
・ リハビリテーション等の実施に当たっては、可能な限り同じ時間帯、同じ場所での実施人数を減らす。
・ 定期的に換気を行う。
・ 利用者同士の距離について、互いに手を伸ばしたら手が届く範囲以上の距離を保つ。
・ 声を出す機会を最小限にすることや、声を出す機会が多い場合は咳エチケットに準じてマスクを着用することを考慮する。
・ 清掃を徹底し、共有物(手すり等)については必要に応じて消毒を行う。
・ 職員、利用者ともに手指衛生の励行を徹底する。

2.新型コロナウイルス感染症に感染した者等が発生した場合の取組
社会福祉施設等の利用者等(当該施設等の利用者及び職員等をいう。)に新型コロナウイルス感染症に感染した者が発生した場合には、保健所の指示に従うとともに、協力医療機関にも相談し、以下の取組を徹底する。以下省略

(1)情報共有・報告等の実施
○ 利用者等において、新型コロナウイルス感染者が発生した場合、速やかに施設長等への報告を行い、当該施設内での情報共有を行うとともに、指定権者(障害福祉サービス等にあっては、当該利用者の支給決定を行う市町村を含む。以下同様。)への報告を行うこと。また、当該利用者の家族等に報告を行うこと。【新型コロナウイルス感染が疑われる者が発生した場合は、「帰国者・接触者相談センター」に電話連絡し、指示を受けること。速やかに施設長等への報告を行い、当該施設内での情報共有を行うとともに、指定権者への報告を行うこと。また、当該利用者の家族等に報告を行うこと。】

(2) 消毒・清掃等の実施
○ 新型コロナウイルス感染者の居室及び当該利用者が利用した共用スペースについては、消毒・清掃を実施する。具体的には、手袋を着用し、消毒用エタノールで清拭する。または、次亜塩素酸ナトリウム液で清拭後、湿式清掃し、乾燥させる。なお、次亜塩素酸ナトリウム液を含む消毒薬の噴霧については、吸引すると有害であり、効果が不確実であることから行わないこと。トイレのドアノブや取手等は、消毒用エタノールで清拭する。または、次亜塩素酸ナトリウム液(0.05%)で清拭後、水拭きし、乾燥させる。保健所の指示がある場合は、その指示に従うこと。

(3) 積極的疫学調査への協力等
○ 感染者が発生した場合は、保健所の指示に従い、濃厚接触者となる利用者等の特定に協力すること。その際、可能な限り利用者のケア記録や面会者の情報の提供等を行うこと。【新型コロナウイルス感染が疑われる者が発生した場合は、当該施設等において、感染が疑われる者との濃厚接触が疑われる利用者等を特定すること。濃厚接触が疑われる者については、以下を参考に特定すること。
・ 新型コロナウイルス感染が疑われる者と同室または長時間の接触があった者
・ 適切な感染の防護無しに新型コロナウイルス感染が疑われる者を診察、看護若しくは介護していた者
・ 新型コロナウイルス感染が疑われる者の気道分泌液若しくは体液、排泄物等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者

(4) 新型コロナウイルス感染症の感染者等への適切な対応の実施
○ 感染者等については、以下の対応を行う。
① 職員の場合の対応
職員の感染が判明した場合、原則入院することとなるが、症状等によっては自治体の判断に従うこととなること。② 利用者の場合の対応
利用者に新型コロナウイルス感染症の感染が判明した場合は、高齢者や基礎疾患を有する者等である場合には原則入院することとなるが、それ以外の者については症状等によっては自治体の判断に従うこととなること

(5) 新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者等への適切な対応の実施
○ 濃厚接触者等については、保健所と相談の上、以下の対応を行う。なお、濃厚接触者については 14 日間にわたり健康状態を観察することとしており、以下の対応は感染者との最終接触から 14 日間行うことが基本となるが、詳細な期間や対応については保健所の指示に従うこと。
① 職員の場合の対応
保健所により濃厚接触者とされた職員については、自宅待機を行い、保健所の指示に従うこと。職場復帰時期については、発熱等の症状の有無等も踏まえ、保健所の指示に従う。【なお、濃厚接触が疑われる段階においては、発熱等の症状がある場合は、自宅待機を行い、保健所の指示に従う。また、発熱等の症状がない場合は、保健所と相談の上、疑われる職員数等の状況も踏まえ対応する。】

② 利用者の場合の対応
保健所により濃厚接触者とされた利用者については、以下の対応を行う。
・ 当該利用者については、原則として個室に移動する。
・ 有症状となった場合は、速やかに別室に移動する。
・ 個室が足りない場合は、症状のない濃厚接触者を同室とする。
・ 個室管理ができない場合は、濃厚接触者にマスクの着用を求めた上で、「ベッドの間隔を 2m 以上あける」または「ベッド間をカーテンで仕切る」等の対応を実施する。
・ 濃厚接触者が部屋を出る場合はマスクを着用し、手洗い、アルコール消毒による手指衛生を徹底する。
・ 当該利用者とその他の利用者の介護等に当たっては、可能な限り担当職員を分けて対応を行う。
・ 職員のうち、基礎疾患を有する者及び妊婦等は、感染した際に重篤化するおそれが高いため、勤務上の配慮を行うこと。
・ 当該利用者へのケアに当たっては、部屋の換気を1、2時間ごとに5~10 分間行うこととする。また、共有スペースや他の部屋についても窓を開け、換気を実施する。
・ 職員は使い捨て手袋とマスクを着用する。咳込みなどがあり、飛沫感染のリスクが高い状況では、必要に応じてゴーグル、使い捨てエプロン、ガウン等を着用する。
・ 体温計等の器具は、可能な限り当該利用者専用とする。その他の利用者にも使用する場合は、消毒用エタノールで清拭を行う。
・ ケアの開始時と終了時に、(液体)石けんと流水による手洗いまたは消毒用エタノール による手指消毒を実施する。手指消毒の前に顔(目・鼻・口)を触らないように注意する。「1ケア1手洗い」、「ケア前後の手洗い」を基本とする。
・ 濃厚接触者のうち有症状者については、リハビリテーション等は実施しないこと。無症状者については、利用者は手洗い、アルコール消毒による手指消毒を徹底し、職員は適切な感染防護を行った上で個室又はベ
ッドサイドにおいて、実施も可能であること。

<個別のケア等の実施に当たっての留意点>
濃厚接触者に対する個別のケア等の実施に当たっては以下の点に留意する。
(ⅰ)食事の介助等
・ 食事介助は、原則として個室で行うものとする。
・ 食事前に利用者に対し、(液体)石けんと流水による手洗い等を実施する。
・ 食器は使い捨て容器を使用するか、または、濃厚接触者のものを分けた上で、熱水洗浄が可能な自動食器洗浄機を使用する。
・ まな板、ふきんは、洗剤で十分洗い、熱水消毒するか、次亜塩素酸ナ
トリウム液に浸漬後、洗浄する。
(ⅱ)排泄の介助等
・ 使用するトイレの空間は分ける。
・ おむつ交換の際は、排泄物に直接触れない場合であっても、手袋に加え、マスク、使い捨てエプロンを着用する。
・ おむつは感染性廃棄物として処理を行う。
※ ポータブルトイレを利用する場合の介助も同様とする。(使用後ポータブルトイレは洗浄し、次亜塩素酸ナトリウム液等で処理を行う。)
(ⅲ)清潔・入浴の介助等
・ 介助が必要な場合は、原則として清拭で対応する。清拭で使用したタオル等は熱水洗濯機(80℃10 分間)で洗浄後、乾燥を行うか、または、次亜塩素酸ナトリウム液浸漬後、洗濯、乾燥を行う。
・ 個人専用の浴室で介助なく入浴ができる場合は、入浴を行ってもよい。その際も、必要な清掃等を行う。
(ⅳ)リネン・衣類の洗濯等
・ 当該利用者のリネンや衣類については、その他の利用者と必ずしも分ける必要はないが、熱水洗濯機(80℃10 分間)で処理し、洗浄後乾燥させるか、または、次亜塩素酸ナトリウム液浸漬後、洗濯、乾燥を行う。
・ 当該利用者が鼻をかんだティッシュ等のゴミの処理は、ビニール袋に入れて感染性廃棄物として処理を行う。

以下、『社会福祉施設等(通所・短期入所等のサービス)における感染防止に向けた対応について』など介護現場での感染拡大を防ぐための注意点を改めてまとめた通知となっています。

出所:厚生労働省「社会福祉施設等における新型コロナウイルス感染拡大防止のための留意点について(その2)」