平成30年度予算-財務省資料より

平成30年度社会保障関係予算のポイント

○ 社会保障制度の持続可能性を確保する観点等から、様々な改革努力を積み重ねた結果、平成30年度の社会保障関係費の伸びは、対前年度で+4,997億円。

- 診療報酬改定は、本体改定で+0.55%(国費+588億円)、薬価等改定で▲1.45%(国費▲1,555億円)。このほか、制度改革として、新薬創出等加算の抜本的見直し、長期収載品の価格の段階的引下げ等の薬価制度の抜本改革を実施(国費▲310億円)。また、いわゆる大型門前薬局に係る調剤報酬の適正化を実施(国費▲56億円)。
介護報酬改定は、全体で+0.54%(国費+137億円)とし、通所介護等の給付を適正化しつつ、自立支援・重度化防止に資する質の高いサービス等を評価。また、障害福祉サービス等報酬改定は、全体で+0.47%(国費+57億円)。
- 生活保護制度では、生活扶助基準の見直しや医療扶助の適正化を実施するとともに、大学等への進学に対する支援を実施。○ 「人づくり革命」の実現に向け、「新しい経済政策パッケージ」に基づき、「子育て安心プラン」を前倒しし、保育の受け皿拡大等を推進するなど、メリハリの効いた社会保障関係予算を編成。

※ 29年度の医療・介護制度改革の30年度実施分等についても着実に実施。

 

社会保障をめぐる状況

 

 

 

 

今後の社会保障改⾰の考え⽅

○ 社会保障関係費の伸びは、「⾼齢化に伴う伸び」と「その他要因に伴う伸び(医療の⾼度化による伸び等)」の2つに分かれる。
○ 「⾼齢化に伴う伸び」は、社会保障関係費に特有のものであり、⼀定程度やむを得ない増だが、「その他要因に伴う伸び」は、他分野と同様、制度改⾰や効率化等に取り組むことで抑制していかなければならない。
○ こうした考え⽅に基づき、「⾻太⽅針2015」において「⽬安」が設定され、2016〜2018年度は「⽬安」に沿った予算編成を⾏ってきたところ。なお、同⽅針においては、「2020 年度(平成32年度)に向けて、社会保障関係費の伸びを、⾼齢化による増加分と消費税率引上げとあわせ⾏う充実等に相当する⽔準におさめることを⽬指す」とされている。

【参考】 改革工程表上の主な制度改正等検討項目(2017改定後)

取組状況 主な項⽬
既に対応済みのもの ・⼊院時の光熱⽔費負担の⾒直し
・保険者努⼒⽀援制度の具体的な仕組み
・⾼額療養費(⽉額負担上限)等の⾒直し
・介護保険の利⽤者負担の在り⽅
・介護納付⾦の総報酬割導⼊
・軽度者に対する福祉⽤具貸与・住宅改修に係る給付の適正化
・先発医薬品価格のうち後発医薬品に係る保険給付額を超える部分の負担の在り⽅ 等
⼀部対応したが、
引き続き対応が必要なもの
・⾼確法第14条の診療報酬の特例の活⽤⽅策
・地域差分析を活⽤した介護保険事業計画のPDCAサイクルの強化・給付費の適正化に向けた保険者へのインセンティブ付けなどの制度的枠組みの検討
⽣活援助サービス等その他の給付の在り⽅、負担の在り⽅
・「薬価制度の抜本改⾰に向けた基本⽅針」に基づく取組み
・服薬管理や在宅医療等への貢献度による評価、適正化や患者本位の医薬分業の実現に向けた調剤報酬の⾒直し 等
今後対応していくもの ・後期⾼齢者の窓⼝負担の在り⽅
・現役被⽤者の報酬⽔準に応じた保険料負担の公平を図るための課題(介護総報酬割以外)
・⾦融資産等の医療保険制度における負担への反映⽅法
・薬剤⾃⼰負担の引上げについて幅広い観点からの検討
・かかりつけ医の普及の観点からの診療報酬上の対応や外来時の定額負担についての検討
軽度者に対する⽣活援助サービスやその他の給付の地域⽀援事業への移⾏
・短時間労働者に対する厚⽣年⾦保険及び健康保険の適⽤範囲の拡⼤
・⾼齢期における職業⽣活の多様性に応じた⼀⼈ひとりの状況を踏まえた年⾦受給の在り⽅
・⾼所得者の年⾦給付の在り⽅を含めた年⾦制度の所得再分配機能の在り⽅
・介護の調整交付⾦の活⽤⽅策についての検討
・国⺠健康保険の普通調整交付⾦の活⽤⽅策についての検討 等

 

 

 

出所:財政制度分科会(平成30年4月11日開催)