社会福祉法人の合併を円滑に進めるための環境整備は進むのか?

現状

○ 社会福祉法人は、平成28年の社会福祉法改正により、経営組織のガバナンスの強化、事業運営の透明性の向上等の改革を行い、これまでのところ、関係者の協力により、概ね順調に施行されてきた。
○ 「経済政策の方向性に関する中間整理」(平成30年11月26日未来投資会議・まち・ひと・しごと創生会議・経済財政諮問会議・規制改革推進会議)において、「経営の安定化に向けて、医療法人・社会福祉法人それぞれの経営統合、運営の共同化の方策や、医療法人と社会福祉法人の連携方策を検討する。」とされている。
○ 人手不足などの問題が深刻化することが見込まれる中、地域における福祉サービスを確保するとともに、社会福祉法人が地域貢献の取組等をより一層進めていく必要があり、そのため、社会福祉法人における連携や協働化、大規模化の対応を推進しやすい環境整備を図っていく。
○ 社会福祉法人の数は約2万件であるのに対し、合併認可件数は、年間10~20件程度で推移している。実績が少なく、行政庁が不慣れな点もあり、取り組みにくい環境にある。
○ 会社法では、法人間の合併契約の中で、合併の効力が生じる日を決めることができるが、社会福祉法では合併の登記が効力発生日とされており、法人間の合意で決められないという課題がある。

今後の対応に向けた考え方

○ 大規模化・連携は、希望する法人の自主的な判断のもと進められるべきものであり、その環境整備を進めることが重要である。
○ 所轄庁が合併等の手続きに疎いとの声や、実際に法人が合併等に苦労したとの声等を踏まえ、合併や、事業譲渡、法人間連携の好事例の収集等を行い、希望法人向けのガイドラインの策定(改定)を進める。
○ 組織再編に当たっての会計処理について、社会福祉法人は法人財産に持分がないことなどに留意しつつ、会計専門家による検討会で整理を進める。

出所:第3回社会福祉法人の事業展開等に関する検討会